学生向け研究室紹介
埼玉大学 工学部 情報システム工学科 吉浦研究室

Last Update ($Date: 2014/02/24 04:16:34 $)


吉浦研究室では、理論的なことを理解した上で、実践的な研究を行うことを目指しています。つまり、理論と実践の両方ができる学生が育つことを目指しています。

研究内容

ここを参考にしてください。

研究室生活

研究室に所属している学生には、では日々各自に独創性のある研究を行ってもらうことを期待しています。そのために、研究の打ち合わせはもちろんのこと、定期的に週2回ゼミを行います。ゼミの内容は次のとおりです。
  1. 形式的手法
    ソフトウェアやソフトウェアの仕様に誤りがないかを理論的な方法により検証する方法です。この方法を理解するためには、論理学やオートマトン理論など情報システム工学の基礎理論の理解が必要不可欠です。このゼミでは、実際の検証に関する文献を輪講しこれらの理解を行います。
  2. コンピュータネットワーク
    検証についての理論を理解できたとしても、実践的なソフトウェアシステムやセキュリティに関する知識がなければ、理解した理論は役に立ちません。そこで、コンピュータネットワーク関連の文献の輪講やネットワーク関連の資格試験の問題を解くことで実際のITシステムの理解を深めます。
学部の卒業や修士課程の修了のためには、卒業論文や修士論文を書かなくてはなりません。そのためには、各自自主的に研究を進める必要あります。十分なレベルに達していなければ卒業論文や修士論文としては認められませんので、日々、研究に打ち込む必要があります。また、理論と実践を融合した形の研究を行ってもらうことが望まれます。また、修士課程の学生は、研究会や学会などで自分の研究成果を発表する必要があります。

研究の方針

吉浦研究室は、理論計算機科学、特に、論理学をベースにした ソフトウェア工学へのアプローチを行っています。 また、理論的な研究だけではなく、 コンピュータネットワーク、コンピュータセキュリティ、 コンピュータを応用した情報システムなどの 実用面を重視した研究を行っています。 この研究室においては、次の基準に基づいて研究をすすめます。
  1. 理論研究においては、何らかの理論的な成果を得ること。かつ、その成果に意義 があること。
  2. 実用的な研究であれば、有用であること。
本研究室では、理論的であれば、工学的な有用性を必ずしも求めませんが、 何らかの成果は求めます。各自の研究内容によってその目的とするところを 定めていきます。 研究内容は理論と実践いずれを行うかは、学生に任せます。

研究室で身につけてほしいこと

研究室では、研究により研究成果を出すことが目的ですが、研究を通して様々な能力を身につけることが重要になります。

特に、身につけて欲しいことは、1,2です。1,2が身に着けば、3,4は自然と身に着きます。研究に限らず、どのような分野でも、1,2は重要な能力です。情報システム工学に関して言えば、例えば、

  1. Windowsが利用できてもLinuxが利用できないような技術者を信用できますか ? その逆の技術者を信用できるか ?
  2. 情報システム工学の変化は非常に激しく、2、3年前の知識では対応できないがどうすればいいか ?
  3. 大規模なシステムを構築するためには、広範囲な知識を必要とするが、どうすればいいか ?
というような問題があります。例えば、WindowsとLinux両方の詳細にわたる知識を得ることも考えられなくありませんが、そのような知識は、激しい変化の中ではすぐに利用できなくなってしまいます。また、大規模システム設計などのような、より広範囲の知識を必要とする場合には、様々な知識を詳細にまで踏み込んで得ることは難しくなります。
では、これらの問題に対応すればよいかというと、細かいところまでの知識を得るのではなくて、本質的な知識だけを捕らえることが重要になります。これが、抽象的な思考能力と言うことになります。本当に重要であり、時間とともに変化することが少ない知識がなんであるかということを見いだすことが必要になります。そして、それをどのように利用するかが重要になりますが、それが論理的な思考になります。これらの能力は、どの分野でも重要ですが、情報システムという、一見、目に見えないようなものを扱う場合には特に重要になります。

卒業論文、修士論文、博士論文のテーマ

卒業論文

2007年度
  1. リアクティブシステム仕様の実現不能性判定のための証明系の構築
  2. 充足不能性への変換によるリアクティブシステム仕様の実現不能性判定器の開発
  3. 検閲されたウェブページを発見するための検索エンジン比較システムの開発
  4. 検索エンジンGoogleにより検閲されたウェブページの発見システムの開発
2008年度
  1. 自然言語仕様のOWL記述支援
  2. ハードウェア処理されるAccess Control Listの最適化
  3. 長期間にわたるスパムメールの分析
2009年度
  1. USBメモリ型の防犯カメラソフトウェアのユーザインターフェースに関する研究
  2. BitTorrentによる通信の選別に関する研究
  3. Access Control List の等価性判定に関する研究
2010年度
  1. Access Control Listの等価性判定向上に関する研究
  2. Webアプリケーションの保守支援システムの開発
  3. 検索されたWebページの表示方法に関する研究
  4. 巡回間隔の学習を行うWebページ巡回ソフトウェアの開発
2011年度
  1. ICMPパケットの遮断によるIPv6通信における問題への対策
  2. BINDを実例とした検証ツールを利用するためのソフトウェアの分析方法の考察
  3. Mobile Ad hoc Networkにおける通信プロトコルの検証
  4. P2PストリーミングネットワークのDoS攻撃に対する耐性の実験的評価
2012年度
  1. 仕様の強充足可能性を特徴づける式について
  2. 時相論理により記述されたリアクティブシステム仕様における制約式構築
  3. 検索エンジンGoogleの検索結果における傾向について
  4. リアクティブシステム仕様の実現不能判定器の高速化
2013年度
  1. SPINによる完全情報ゲームの分析
  2. スマート街路灯のための街路灯検出システムの開発
  3. 検索エンジンgoogleと検索結果とwikipediaの関連性

修士論文

2009年度
  1. タブローと推論規則を用いた実現不能性判定器の開発
  2. 構文制限とリアクティブシステム仕様の性質の関係について
  3. OWLによる自然言語仕様の問題点の検出
  4. 適切さの論理ERの自動定理証明器の実装
2010年度
  1. ハードウェア処理されるAccess Control Listの短縮化に関する研究
  2. 画像スパムメールフィルタのPostfixへの実装
  3. BitTorrentにより配信される音楽や映像ファイルの自動検出
2011年度
  1. 静的データレース検出における動的クラスローディングへの対策
  2. リアクティブシステム仕様の実現不能判定器の高速化
2012年度
  1. ベイジアンフィルタを利用したWeb Application Firewallの開発
  2. 検索されたWebページにおける検索語に基づく重要箇所の提示
2013年度
  1. Webページ内の文章に対する独自性判定器の開発
  2. リアクティブシステム仕様の検証時間を削減するための並列処理の提案
  3. P2Pライブ配信システムのための配信ツリーに関する研究

博士論文

2009年度
  1. A Novel Radio Frequency Tag Architecture for Intelligent Transportation System

お問い合わせは、 wwwadmin@fmx.ics.saitama-u.ac.jpへお願いします。